Ryoichi Miuzno
Works at Masterless Samurai
Studied Computer Graphics at The University of Tokyo
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ドラえもんはのび太に iPhone を渡した?

ドラえもんはのび太に iPhone を渡した?さいきんは、ちょっとの期間だけ iPhone のアプリの開発をしている。
そして、iPhone の可能性にやや興奮しているんだ。

ドラえもんのひみつ道具に「おこのみボックス」つーのがある。
付属のマイクで命令すると、その通りの機能を持つようになる箱で、ただひとつの条件、「四角いものでなければいけない」をクリアすれば、用途は無限大!
劇中では矢継ぎ早ののび太のリクエストに対し、冷蔵庫、テレビ、レコードプレーヤー、ストーブ、カメラ…と多彩に変化する。

おぉ!こりゃ、ほとんど iPhone だ。
いや、iPhone はほとんど「おこのみボックス」だ。

iPhone はタッチパッドパネル、少数のホームボタンなどの物理的なボタン、カメラ、マイク、スピーカー、重力センサー、デジタルコンパスとかを備え、3.5G、 Wi-Fi 回線を用いてオンラインになれる。
そういえば、3G 回線を用いて電話もできるんだっけ。

こいつら、個々の装置の動きは、オペレーティングシステム iOS で監視・制御される。
iPhone はそんなコンピュータなんだ。

何を今さら。
いやいや。

たとえば従来のデジカメ。
当然、デジカメはハードもソフトもデジカメの機能に最適化されている。
だから、想定した用途、「きれいな写真を撮る」はとっても上手にできる。
じゃあ、「人が前を通ったときに、フラッシュを光らせ続ける」つー、防犯装置にはなるか?

多分できる。
でも、とっても大変。
最適化のために汎用性が失われてるから。
デジカメのシステムを抜本的に書き換えて、ハードも改造が必要になるかもしれない。
そして、めでたく出来上がった結果、もうそいつはデジカメとしては使えなくなってるだろう。
とっても現実的じゃない。

さて、もちろん iPhone ならば、わりと簡単に実現!
iPhone の各装置は、iOS に管理されているだけで、使い道はほとんど意図されていない。
使い方は、プログラムすることで与えられる。
Programmable!!
カメラからの入力を動体検知ソフトに流し、動体が検出されれば、フラッシュを光らせる。
もちろん、iPhone なのだから、それでもデジタル写真が撮れる。

そう、iPhone はその高い汎用性で周囲の機能が特化されたデジタル機器の立場を席巻した。

さらに、iOS が Darwin カーネルを採用してることは、開発をしやすくしてる。
こいつは Apple が開発したものだけど、UNIX ライクで、フリーな UNIX 同様に特定のライセンス、APSL 下で入手、インストール、運用が可能。
UNIX での開発のように、かなーり、オープンソースの恩恵を受けれる。

オープンソースの取り決めでは、他人様が作ったプログラムを堂々と流用してもいい。
むしろ推奨されてるくらい。
ソースを公開すれば、商用に使っても構わない。
ひとつの目的のために、みんなでよってたかってコーディング、デバッグをし、いーモノを作ろう的な考え方に基づいてる。

たとえば、さっきの防犯装置を作るときに、GPL 下で運用可能な Motion というプログラムは役に立つかもしれない。
こいつは、ソースが公開されていて、iOS にも親和性が高い。

実際、かなりの伝統的で優秀なオープンソースのものは、"~ for iPhone/iPad" といったかたちにされて、再頒布されてる。

まぁ、いまの iPhone は冷蔵庫とストーブにはなれない。
冷蔵庫は、物理的空間がないからムリだろうけど、iPhone 表面の温度を変化させる素子なんかが採用されれば、ストーブは可能かもしれない。
将来的には iPhone 内部の温度管理のためとかで採用されないことはない。

これからの iPhone はドラえもんよりも 1 世紀早く論理的に可能な「おこのみボックス」を実現してしまうことはほぼ確実だろう。


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